思い込みがストレスを生む
みなさんは、こんな経験はないでしょうか?
会社で天井の照明が切れていて、部下に「新しい蛍光灯は倉庫にあるから」と伝えて会議に行きました。帰ってくると、照明は切れたまま。思わず部下に「なんで蛍光灯を交換してないんだ!」と怒鳴ってしまう。
部下が気の利くタイプなら、蛍光灯を交換していたかもしれません。でも、この場合上司が言ったのは「蛍光灯は倉庫にある」という事実だけで「交換しておいてくれ」とは言ってないのです。日常会話ではとても多いのですが、すべてを言葉にしなくても当然わかるだろうと期待し、それが裏切られることで怒りを感じてしまうのです。
日本人はもともと、すべてを言葉にしない、遠回しに言う文化があります。察する、つまり、空気を読むことが当たり前とする文化です。この思い込みが、ストレスの原因になっていることが多いのです。
「当然」「普通」「~はず」「あたりまえ」と思って、言葉にせず、相手に暗黙の期待を寄せていることに気づいてないのです。「言わなくてもそれくらいわかるだろう」という自分勝手な思い込みを相手に押し付けることによって、結局、自分がストレスを感じてしまうのです。
察すること、空気を読むこと、気が利くこと、それは素晴らしいことです。ですが、それをすべての人に期待して、自分の考えを言わずに理解してもらえるはず、というのは無理な話です。だれも、「サトリ」ではないのですから。あなたにとっての普通が、他の人の普通であるとは限らないのです。
部下が自分の思うような行動をしていない時、怒りをぶつける前に、自分の発した言葉を思い出してみましょう。相手が理解できるような言葉を使っていたかどうか。なぜ、部下に伝わっていなかったのか。自分の思い込みをなくすだけで、ストレスは減っていきます。