劣等感を手放す方法
劣等感はだれもが感じたことのあるものだと思います。
人はなぜ劣等感を感じるのでしょうか?
●劣等感を感じるのは?
劣等感を感じるわけ。
それは、他の人と自分を比較するからです。
では、私たちはどうして他者と自分を比較してしまうのでしょうか?
人間には生まれながらの「承認欲求」があります。人から認められたい、人から評価されたいと思う気持ちです。これは、他者からだけでなく、自分自身にも当てはまります。つまり、自分を好きになりたい、とか自己肯定感を高めたいとかいう欲求です。自分の価値を見出す方法として、一番簡単で手っ取り早い方法が、
他者と自分を比較して「優れている」と思うことです。
わかりやすい例でいうと、
営業課内で営業成績がトップだったら、他の人より自分が優れていると思えます。
これが自分の自信に繋がり、自己肯定感も上がり、周りからも「すごい」と褒められ、承認欲求は満たされます。
しかし、一方で
営業成績が最下位だったら、自分は他の人より劣っている、ダメだと、劣等感を感じます。
●価値観を変える
価値観には、地位財と非地位財があります。
地位財とはお金や社会的地位、物などの価値観。
非地位財とは、健康や環境や愛情などの価値観。
地位財は比べることができますが、非地位財は比べる事ができません。
つまり、自分の価値観が地位財に偏っていると、どうしても他者と比べてしまいたくなるのです。
例えば、
地位財に価値観の重点を置いていると、
あの人より収入が多い、いい車を持っている、役職が上だ、という価値観で自分の価値を考えます。
しかし、地位財の価値観によって満たされた承認欲求は長くは続きません。
なぜなら、上には上がいるからです。もっと、もっとと要求が大きくなっていきます。
いつまでも満足できず、誰かに対しては、いつまでも劣等感を持つことになります。
しかし、非地位財に価値観の重点を置くと、
健康でよかった、職場の仲間との人間関係が円滑で楽しい、家族のあたたかい愛情が嬉しい、
と感じることによって、自分の価値を考えます。
非地位財の価値観は他者と比べようがないので、劣等感を持つことはありません。
●劣等感を手放す方法
劣等感を手放すためには、他者と自分を比較しないことが一番です。
安易に優れている自分を手に入れたいがために、人と比べる癖が、自分を苦しめているのです。
でも、どうしても比較してしまう、という人は、他者と自分を比較するのではなく、過去の自分と今の自分を比較してみてください。
1年前の自分よりは、仕事が早くできるようになった。
数年前より気持ちにゆとりができて、人に優しく接することができるようになった。
など、過去の自分と比べると、劣等感を感じるどかろか、自分が成長したと感じることができます。
そして、自分が成長していると感じると、幸福度も上がります。
●アドラー心理学
また、アドラー心理学では、承認欲求を否定しています。
承認欲求は満たすのではなく、承認欲求を捨てるという考え方です。
認められたい、褒められたい、はだれもが思うことですが、それを追求しすぎるとそれだけが目的となって自分を見失ってしまいます。
「いいね」が欲しいばかりに、他人に迷惑をかけたり、法律を侵すユーチューバーなどがその例と言えるでしょう。
そこまでいかなくても、自分の気持ちを押し殺して相手に合わせることで得た「承認」は、引き換えに大きなストレスをもたらすことになります。
つまり、他者と比べることによって得た「承認」など、もろいということです。
アドラー心理学では、承認欲求を否定し、その代わりに「貢献」を提唱しています。
例えると、
(だれかに褒めてもらうために)だれかが見ている所で、ゴミを拾うのではなく、この場所をキレイにして、みんなが気持ちよくこの場所を利用できるようにするために、ゴミを拾う。
ということです。
誰かのために、何かをする、というのが貢献です。
そして、この利他的な行為は、幸福度が上がる行為でもあります。
●劣等感を手放した先にあるもの
地位財から非地位財に価値観の重点を変え、他者と自分の比較をやめて、承認欲求を捨てて貢献を目指すようになったその先にあるものは、
幸福度の高い毎日です。
考え方を変えるだけで、劣等感は手放すことができます。