ウェルビーイング経営に舵を切る
ポストSDGsと言われるウェルビーイング。
そのウェルビーイングを経営の真ん中に据えるウェルビーイング経営。
しかし、ウェルビーイング経営ってどんなことをするのか?と疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これまでも、幸せな会社として有名なネッツトヨタ南国などをご紹介してまいりましたが、今回は、近年ウェルビーイング経営に舵を切り、ウェルビーイング経営を実践しているコマニー株式会社をご紹介いたします。
この記事の内容は、コマニー株式会社の社外取締役として、同社のウェルビーイング向上に携わっている、幸福学の研究者でのある前野マドカさんの会社(EVOL株式会社)のブログ(文末にURLあり)の要約と先日参加したコマニー株式会社主催のプログラムから同社の取り組みをご紹介いたします。
●ウェルビーイング経営に舵を切る
コマニー株式会社は、昭和36年創業の石川県小松市に本社をおくパーテーション(間仕切り)の専業メーカーで、社員数は1400人を超える会社です。
ウェルビーイング経営に舵を切るきっかけとなったのは、盛和塾でした。
創業家の塚本家の4人の方が、2018年から経営の学びのために盛和塾で学び始め、その学びの中で対話を繰り返したどり着いた信念が、
「企業は世の中の幸福に貢献するために存在すべきである」というものでした。
世の中の幸福に貢献するためには、社員の幸せを真ん中に据えたウェルビーイング経営に舵を切る必要がありました。
●ウェルビーイング経営に欠かせないもの
ウェルビーイング経営に欠かせないもの。
それはお互いに本音を出し合いながら対話することでした。
近しい間柄であっても、意外と言いたいことを言える機会が少ないことに気づき、経営メンバー4人で話す機会を設け、お互いの思いや状態を共有することで、同じ気持ちで経営に取り組めるようになりました。
そして、本音で話す対話は、経営メンバーだけでなく全社員でも行われています。
社員1400名が月に1回全員参加する対話の場を設けています。
製造業の会社が、工場を止めて対話に時間を取るのです。それだけ、社員の対話から得られる成果を信じているということです。
●プログラムに参加して
先日、コマニー株式会社が開催した「COMANY SDGsWEEK 2024」というイベントの中の「自分をオープンにすると見える世界~前野マドカさんと学ぶWell-beingな関係づくり」というプログラムにオンラインで参加させていただきました。
プログラムの内容は、本当の信頼関係とはなんだろう?というところから始まり、お互いの人となりを知り、心のつながりがあってこそ信頼関係は築ける、そして、人を知る前にはまず自分のことを知ろう、という話に繋がっていきました。
自分を受け入れることができて初めて、他者も受け入れられる、だからこそ、自己受容が信頼関係を作る第一歩であると、説明していらっしゃいました。
自分を受け入れて、自分をオープンにして、相手と自分の双方の意見を言い合える心理的安全性の高い職場づくりがウェルビーイング経営には欠かせません。
心理的安全性の高い職場づくりには、対話がとても重要であることから、対話のためのカードを紹介していらっしゃいました。
ブレイクアウトルームでご一緒した社員の方は、暖かい笑顔が印象的な管理職のお二人でした。
これまであまり会話の無かった職場でコミュニケーションを増やすため、会話を増やそう、話そう、と管理職が積極的にコミュニケーションを推進したことで、社内の雰囲気が以前と全く変わったとのことでした。
●これからの経営
気合と根性で長時間労働と休日出勤を乗り越え、売上重視、利益追求の昭和の経営のままでは、社員は疲弊して最高のパフォーマンスはできません。
これからの経営は、社員の幸福を真ん中に据えたウェルビーイング経営が主流となっていくでしょう。
ウェルビーイング経営は、社員をあまやかすことではありません。
幸福とは、楽(らく)なことではないからです。
困難を乗り越えることで成長する幸せ
お互いの気持ちや意見を伝え合うという時間のかかる対話の先に構築できる信頼でつながる幸せ
職場は我慢する場所から、居心地のいい場所に変わっていくのがウェルビーイング経営の効果だと言えます。
職場の雰囲気は仕事力につながります。
今こそウェルビーイング経営に舵を切る時ではないでしょうか?
参考文献:「関わる人々を本気で幸せにしたい」コマニー株式会社のウェルビーイング経営への挑戦 | 誰もが幸せに生きる社会を創りたい EVOL株式会社