ネッツトヨタ南国に学ぶしあわせな経営
先月、しあわせな会社として有名な「ネッツトヨタ南国」の現地視察学習会に参加してきました。
そこには、夢物語ではなく、確かに「しあわせに働く人々」が存在しました。
●働くとは
ネッツトヨタ南国では、採用面接で「働くとはどういうことだと思いますか?」という質問をします。
なぜその質問をするのかというと、「何のために働くのか」が明確に自分でわかっていないと、しあわせに働くことはできないからだそうです。
「お金のため」
「生活のため」
「家族のため」
本当にそれだけでしょうか?
ネッツトヨタ南国では、かつて採用に200時間を費やしていました。さすがに今はそれだけの時間を取ることができないとのことで減ってきているそうですが、それでも採用には今でも60時間を費やしているそうです。
ネッツトヨタ南国が大切にしているもの
それは「考える」こと
●教えない
ネッツトヨタ南国では、「仕事は与えられるものではなく、自ら考えて作るもの」との社訓があります。
答えがわかっているものでも自分で考える習慣をつけてもらうために、教えないのです。
しかし、それは「自分で考えろ!」と突き放すのではなく、「どうなんだろうね?」と寄り添い、見守る形で行われるので、新人も突き放されたとは感じないのだと思います。
見守るよりも教えた方が、教える方も教わる方も時間が短くてすみます。一見、教えた方が効率的に見えます。
しかし、それではずっと教え続けないといけなくなるのです。
自分で考えて行動できる社員を育てるのには時間がかかります。しかし、一度そういう社員が育てば、次はその社員が同じような社員を育ててくれるのです。
このしあわせな会社を作り上げた横田さんは「できるだけ遠回りをしようと思うと、意外に早かったと思うことがある」とおっしゃっていました。
●しあわせに働くことは楽なのか?
ニコニコと自分の会社のすばらしさを語る社員の方にこんな質問をしてみました。
「こちらの会社では、仕事は与えられるものではなく自ら考えて作り出すもの、と聞きました。ならば、仕事を作り出さず、楽をすることもできるのではないですか?」
すると、その社員の方はこう答えました。
「そんな恥ずかしいことはできません。自分だけ仕事をさぼるとか、やらないとか、そんなことは考えられません。仕事は楽しいですが、決して楽ではありません。やることが山積みです。」
働くことは、楽しい。
楽しいは楽「らく」と同じ字を書きますが、楽しいことは「らく」ではありません。
ネッツトヨタ南国のみなさんは、だれも楽(らく)に働こうなどとは思っていないのです。
楽しく働きたいと思っているのです。
●視察を終えて
仕事が楽しい!そんな感情がいっぱいの組織は、雰囲気が違いました。
スタッフのみなさんの笑顔が、心からの笑顔でした。そして、スタッフ同士のつながりが、そのアイコンタクトで伝わってきました。
会社が好き!仲間が好き!仕事が好き!お客様が好き!
そんな思いがあふれる場。
訪れる人もだれもがその雰囲気の中で、心穏やかに笑みがこぼれる空間でした。
社員の方の言葉で印象的だったのが
「どんな仕事をするかよりも、だれと働くのかが重要」という言葉。
採用に時間をかけるのは、仲間として一緒に働ける人なのか、ネッツトヨタ南国の理念を理解してくれる人か、
そこをきちんと見ているからです。
しあわせな会社を作るために必要なものは、お金でも制度でもなく、人と人のつながりなのだと痛感しました。人間関係のよい会社は、職場も明るく、みんなが楽しく働くことができます。
日本中の会社がネッツトヨタ南国のようなしあわせな会社になれば、この国もしあわせに働く人であふれることでしょう。
しあせな会社 ネッツトヨタ南国への現地視察学習会を開催!!
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