○○は時代とともに変わるもの △△△はいつの時代も変わらないもの
●常識とは
先日、某大手企業の取締役が性加害で辞任しました。
その少し前には、同じように性加害で俳優が仕事を失いました。
この二人に共通している常識が
「お酒を飲むところで働いている女性には何をしても許される」
ということだったと思います。
かつては、その常識が通用していたかもしれません。
それは女性側が諦めて、我慢していたに過ぎませんが。
でも、時代は代わり、コンプライアンスが重視される世の中で、そういった行為が「悪ふざけ」では済まない時代になってきた、許されない時代になってきたことをわかっていなかったのでしょう。
いつまでも、自分たちの古い常識が通用すると思っていたのです。
しかし、常識は時代とともに変わるものです。
●日本初のセクハラ裁判
今から30年前、日本で初めてのセクハラ裁判が起こされました。
その時、多くのサラリーマンたちはみんな「そんなことで裁判をするのか」と驚きました。
女子社員のお尻を触ることがコミュニケーションだと信じていたおじさんたちにとって、そんな裁判は「非常識」だったからです。
しかし、現在では「セクハラを訴えるのは非常識」と言う人はいません。
世間の常識が変わったからです。
科学技術の進歩で、医療の世界でも、科学の世界でもものすごいスピードで常識は覆されています。
これからを生きる私たちは、自分の常識が世間の常識とズレていないかを見極める力が必要です。
●いつの時代も変わらないもの
一方、いつの時代も変わらないものがあります。
それは、人の心です。
今から1000年以上前の万葉集や古今和歌集に載っている歌の数々に込められた人の思いは、今の人たちと少しも変わりません。
世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
(在原業平)
(現代語訳)世の中に桜というものがなければ、いつ桜が咲くのだろう、いつ散ってしまうのだろう、と心配することもなく、春の気持ちも穏やかだったのになあ。
昔の人も桜が咲くのを心待ちにしていました。
今も春になると桜の開花をみんな気にしています。
つまり、昔の人も今の人も桜にはものすごく感心があり、その美しさを愛でているということです。
瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ
(崇徳院)
(現代語訳)川の流れが速く、岩で二つに分かれてしまった川の流れも、また一つになる。それと同じように、今は離れ離れになっても、未来できっとあなたとまた会おうと思う。
愛しい人を想い、また会いたいと思う気持ちもまた、今の人と同じでしょう。
この歌は劇場版名探偵コナンでも使われていたので、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
また、「四苦八苦」という言葉があります。
実はこの言葉は、2000年以上前に創設された仏教の言葉です。
四苦とは、生・老・病・死の四つの苦しみ
八苦とは、その四苦に
愛別離苦(愛する人との別れの苦しみ)
怨憎会苦(うらみ、憎む人と会う苦しみ)
求不得苦(求めるものが得られない苦しみ)
五陰盛苦(心身が思うようにならない苦しみ)
を加えたもの。
はるか昔の人たちも、今の人たちも苦しみや悩みは同じだと思いませんか?
●人の心はどんな時代も変わらない
人の心というものは、どんなに科学技術が進歩しても、医療が進化しても変わらないということです。
どんな時代になっても、嬉しいことは嬉しいし、悲しいことは悲しいのです。
そして、その人の心を大切にするということは、いつの時代であっても重要なことです。
なぜなら、人の行動は人の心から起こるからです。
やる気のある社員とそうでない社員の行動は違ってきます。
人の心を大切にする経営。
それがウェルビーイング(幸福)経営です。
幸福とは、人の心(自分の心も相手の心も)を大切にすることです。
どんな時代も変わらない、変えることができない、人の心。
今の時代は、そこに注目する人が増えてきています。
ウェルビーイング経営、健康経営、SDGs、人的資本経営、働き方改革
最近よく聞く言葉です。
そのすべてに関係しているのが人の心です。
人の心に注目する経営が、経営の常識となる日も、もうすぐかもしれません。
あなたの常識は時代とズレていませんか?
男尊女卑 という概念
日本の普通選挙権が 大金持ちのみ→ 成人男性のみ→ 成人全て(女性まで拡大)と拡大されてきた歴史
大学医学部入学試験での 男女合格率の歪み(女性を合格させない恣意的合格判定)
今でも 努力義務に近い 「女性管理職比率の拡大」
などなど 日本社会における 女性だからというだけで 男性と異なる処遇は存在したし いまでも存在し続けていますね 言い訳的に 生理的差異や体力的差異が 処遇の差を生んでいるなどとしてきた(例えば「深夜勤務条件」など)ものも その差異が適正なものかの見直しが進められるべきでしょうね
といった 整理が国民全員の共通した認識に落とし込まれて 妥協してもらって 環境は揃うのでしょうが 企業内での研修を実施できるのも それなりの規模、体力を持つ大企業中心になると とかく中小、個人事業者レベルには 「生きた化石」的 旧態依然の意識のままの経営者、その体制が存在していることが 推察されます。
そういうところへの 新しい時代の判断基準としての「知識」「認識」「新しい概念」を理解いただくためには 「変わらないと 知らないと 企業・事業のサステナビリティが確保できませんよ」という 動機付けなどを行っていく必要があるのでしょうね。
石村さんの活動は その先頭を走らんとする すばらしいものだと理解できます。
がんばってくださいね。