相談できない3つの壁

先日、大変ショッキングなニュースが朝から報道されました。

お笑い芸人のUさんが自ら命を絶ったというものです。

明るくて、悩みなどないように見えたUさんですが、抱えきれない苦しみがあったのだと思います。

こういう報道があると、「だれかに相談すればよかったのに」とよく言われます。

私も以前はそう思っていました。しかし、本当にどん底まで落ち込んだ人は、だれかに相談する力さえも残っていないのだと、自らが体験し初めてわかりました。

相談できないのは、そこに3つの壁があるからです。

①悩んでいると人に知られるのが恥ずかしい。

②身近な人に心配をかけたくない。

③だれに相談すればいいのかわからない。

そんな思いから相談できない人はたくさんいます。

Uさんも、お笑い芸人という立場でネガティブな部分を見せるのが恥ずかしいとか、一家の大黒柱の自分が、弱音を吐くところを家族に見られたくない、心配をかけたくない、という気持ちがあったと思います。また、だれに相談すればいいのか、わからなかったのかもしれません。

心が強いとか、弱いとかといいますが、心が強いというのは、ストレスをうまく流せるということです。

心をコップだとすると、ストレスという水が溜まってきた時、あまり貯めないうちに、その水(ストレス)を流すことができれば、コップは軽くなります。

一方、コップ(心)に水(ストレス)が溜まっているのに、気づかない、あるいは、忙しくて、中の水(ストレス)を流すことができなければ、水(ストレス)はコップ(心)からあふれてしまいます。コップ(心)が水(ストレス)におぼれてしまって、体やメンタルヘルスが不調になってしまいます。

そこまでくると、人に話す力もなく、重いコップをどうにか落とさないように持ち続けるのがやっとになります。

そして、力尽きて、コップ(心)を落として壊してしまいます。

人に相談するというのは、元気な人にはなんでもないことのように思えますが、落ち込んでいる人には、とてもハードルが高いものなのです。

では、自分から相談できなくなるくらいまで、追い詰められている人を助けるにはどうすればいいのでしょうか?

それは、声掛けです。

「体調どう?」「夜ちゃんと寝ている?」「食事はとれている?」と声をかけ、

「なにかあったらいつでも話を聴くよ」とメッセージを送ることです。

悩んでいるのに、相談できないのには3つの壁があるとお話しました。

では、相談できない3つの壁を取り除くためにはどうすればいいのでしょうか?

①相談は恥ずかしいことではない

②家族は悩みを言ってくれない方が心配する

③相談できる人は身近にいる

と考えてください。

①相談は恥ずかしいことではない。

だれにでも弱い部分がある、悩みのない人などいないのです。悩みを持つのは自分が特別ダメな人間だからではなく、弱いからでもない、落ち込んだり、悩んだりするのは、だれにでもあることです。

②家族は悩みを言ってくれない方が心配する

家族を大事に思えば思うほど、心配をかけたくないと思うのは、当然です。しかし、なにも相談されないのは、家族の立場からすると、とても悲しいことです。悩みを持つ人が、家族の幸せを願うように、家族も悩みを持つ人の幸せを願っています。

③相談できる人は身近にいる

家族でも友人でも、公共の相談窓口でも相談できるところはたくさんあります。勇気を出して、相談することが大切です。わかってくれない、相談しても助けてもらえない、そう思うかもしれませんが、だれかに話を聴いてもらうだけでも、心は軽くなります。

芸能人の自殺というショッキングなニュースを受けて、自殺防止が呼びかけられています。

画面の中の遠いところの話ではなく、あなたのすぐそばで、悩んでいる人がいるかもしれません。

いつもと違う様子に気付く。

声をかける。

見守る。

そんな気持ちで周囲を見渡してみてください。

どうか、悲しい出来事がこれ以上起きませんように。

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